
「とりあえず石綿ありでやる」は本当に安全?
アスベスト調査の現場でよく聞く言葉があります。
「古い建物だから、みなしでいきましょう。」
一見すると「石綿ありとして扱うから安全」と思われがちですが、実はこの“みなし判断”が思わぬトラブルになるケースがあります。
今回は『みなしの落とし穴』について解説します。
そもそも「みなし」とは?

みなしとは、分析を行わず、その建材を石綿含有建材として扱うという判断です。
つまり分析はしていないが、アスベストありとして施工するという考え方です。
みなしは違法ではない

まず重要なことですが、みなし自体は違法ではありません。
法律上も「分析を必ずしなければならない」とは書かれていません。
そのため分析またはみなし、どちらも選択することが可能です。
しかし問題になるのは『みなしの判断の仕方』です。
行政が見るポイント
行政が確認するのは『なぜみなしにしたのか』という点です。
例えば次のような調査が行われているかが確認されます。
- 書面調査
- 目視調査
- 設計図
- 竣工年
- 材料確認
これらを確認した上で分析が困難という判断であれば問題ありません。
よくあるみなし判断

しかし現場では次のような理由で『とりあえずみなし』となるケースがあります。
- 古い建物だから
- 分析が面倒だから
- 工期がないから
- 分析費用がないから
行政が来た時に起きること
行政確認が入った場合、次のような質問をされることがあります。
- なぜ分析しなかったのですか?
- 調査記録はありますか?
- 有資格者が判断しましたか?
- 目視調査の記録はありますか?
ここで説明できない場合、調査不備と判断される可能性があります。
実際にあったケース

ある改修工事の現場で「古い建物だからみなし」という判断で施工しました。
しかし後日行政確認が入り、「みなし判断の根拠は?」と質問されました。
その現場では書面調査記録、目視調査記録、調査者の記録が残っておらず、結果として調査不備と判断され、是正対応となりました。
みなしの本当のリスク
みなしは安全側の判断と言われますが、実際には調査をしていないという事実が残ります。
つまり説明責任が発生します。
結論
みなしは簡単な判断ではありません。重要なのは調査記録、判断根拠、有資格者の関与です。
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